アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「きみはすでに成人していて、自分で生活出来るだけの能力がある。遺産の運用、日々の生活、仕事だって出来ているし、自分の意思で何でも出来る。後見人など必要ない。だから、きみの叔父は後見人ではなくなった。ということは、きみの屋敷に居座ることが出来ない」
「あ……」

 バーナードの説明に、それしか出てこなかった。

 もしかして、わたしってかんじんなことを失念していた?

 もしかして、成人になった時点で叔父一家を追いだせたわけ?

 実際のところは、手続きやら証明やらが必要でしょう。だから、そうすんなりといくわけではない。

 いずれにせよ、わたしってバカだわ。

 この数年を返してって、いままでのわたしに声を大にして言いたい。
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