アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「きみはいいのか? バーナードはきみには進退を問わなかったが、ほんとうにこのままでいいのか?」
「そういえばそうね。ノーラには尋ねていたのに。わたしも屋敷に戻れるわよね。あなたたちのお蔭で、私は借金の返済をしなくてよくなったのだから。だけど、あなたたちといっしょにいることが当たり前だと思っているから、そんなことに考えがおよばなかったわ。でも、それをいうならあなたもよね、コリン? あなたにも選択肢があるはずよね?」
「そうだな。おれも同じさ。きみといっしょにいて、きみに『こんなことも出来ないのか』と言ってみたり、きみの不始末の尻拭いをしたり、きみの面倒をみたり、きみのピンチを間一髪で救ったりすることが当たり前だと思っているから、この任務を拒否するということを考えなかった」
「あいかわらずイヤな奴ね」
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