アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
 もっとも、あのこまっしゃくれたお嬢ちゃんたちなら、いろいろな意味で強烈すぎて鼻の下を伸ばしようもないでしょうけど。

 そのとき、エントランスにまた違う少女が現れた。

 その少女を見た瞬間、胸が痛んだ。

 レッドメイン男爵家は、照明すら惜しんでいるらしい。すくなくともエントランスには灯りらしきものは見当たらない。窓から陽光が射し込んでいる。その自然の光が彼女のボロボロの姿を浮かび上がらせ、それから目を離すことが出来ない。

 ヘンリーよりも少し年上かしら?
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