アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「やめろ! きみらの相手は、このぼくだ」

 そのド派手少女たちに叩きつけたのは、ヘンリーである。

「母は関係ない」
「えーっ? あれが母親?」
「ほんとに? 似てないどころの騒ぎじゃないわ」
「継母じゃないの?」

 ちょっとしたことですぐに騒ぐのがこの年代の少女なのよね。

 当たってるけど。

 でも、またまた意外だわ。

 あのクソガキ(・・・・)のヘンリーがわたしをかばってくれるなんて。

 そのとき、エントランスの奥からまたしてもだれかが現れた。
< 53 / 303 >

この作品をシェア

pagetop