アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~

いいご身分? それがなにか?

「いいご身分だな」

 コリンが体ごとこちらに向き直り、当然のごとく嫌味を投げてよこした。

「しかも、か弱い義理の父親を酷使するとはな」

 さらにいわれのない非難をぶつけてきた。

 これのどこがか弱いの? か弱いというのは、わたしの方よ。

 それに、都合のいいときだけ義理の父親?

 だったら、クレイグの息子の嫁はか弱い上に名誉の負傷をしているのよ。

 ちょっとくらいいたわったらどうなのよ。あなた、夫でしょう?

 心の中で声を大にする。
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