アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
 というよりか、昨夜のあれとあれは、いったいなんだったの?

 今日はもうそんなそっけない、というよりかいけ好かない態度なわけ?

 あれとあれというのは、口づけとお姫様抱っこのことである。

 とはいえ、コリンの言うことにも一理ある。

 だから、彼を睨みつけるだけにしておいた。当然、彼も睨み返してくる。

 そんな両者のバチバチなどどこ吹く風で、クレイグはわたしを長椅子の上におろしてくれた。

「コリン、もういい。それよりも、彼女に見せてやれ」

 バーナードの言葉がなかったら、コリンとのバチバチ状態はいつまで続いたかわからない。
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