アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~

ショートヘア

「おじさんたちのこと、気にしなくていいわ。それから、あなた自身のことも。あなたの気持ちが落ち着いたらゆっくり話をするつもりだけど、あなたはしばらくここでのんびりすごすのよ。ここなら安心だから。いいわね?」

 ほんとうは彼女と目線を合わせたい。だけど、いまのこの左足で膝を折るとかぜったいにムリ。

「それよりも、きれいな髪をどうにかしないとね」

 このほつれや絡まりは、どうしたらきれいになるのかしら?

 悩んでいると、彼女はシャルロットを東屋の床におろし、右手でわたしの短髪を触ってきた。
< 95 / 303 >

この作品をシェア

pagetop