Special Edition ②
「久しぶりに沢山歩いて足が疲れたぁ~~」
買い物を終え、帰宅した2人。
夏桜は倒れ込むようにソファーに体を預けた。
「買って来た物、冷蔵庫にしまっとくな~?」
「ありがとう~」
千葉は手際よく食材を冷蔵庫にしまう。
既に冷蔵庫の中には作り置きのおかずが幾つも入っていて、自分が寝ている間に作ってくれたことを知った。
「食べてくれば良かったな」
「ん~でも、作り置き結構作ったから、温めれば大丈夫」
「じゃあ、ご飯だけセットしとくな」
「わっ、ありがと~~」
エリート刑事であっても、普段から自身の足で捜査することをモットーにしている一輝。
体力には自信がある。
夏桜のために風呂の準備もして、テラスに出る。
部屋の中に煙が充満しないように、煙草を吸う時はテラス部分に出るようにしている。
日が沈み、高層タワーマンションからの夜景は絶景だ。
「ビール飲む?」
「あ、いい。風呂入ってから飲むから」
「じゃあ、先に入って来てもいい?」
「ん、いいよ」
夏桜は基本、自宅にいる時はほぼノーメイクだ。
スキンケアは施すものの、グロス一つしない。
敏感肌というのもあるが、皮膚にあれこれ付着させているのが苦手なのだ。
特殊な薬品を使用したり、特殊な研究をするために、化粧離れしていた期間があまりにも長すぎて。
いつしか、化粧苦手になってしまったのだ。
けれど、そんな夏桜が好きな一輝。
素のままでも綺麗だし、変にきつい外国製の化粧品の匂いがしない彼女がお気に入り。
夏桜はメイクを落としたくて、帰宅早々浴室へと向かった。