Special Edition ②
周りからはクールビューティーと呼ばれているが、特殊な能力とも言える頭脳を持っているため、必然的に人との距離を取ってしまう夏桜。
人と関わることを避けて生きて来たため、喜怒哀楽が他者より乏しいだけだ。
心許せる相手の前ではちゃんと感情を表に出す事も出来る。
一輝の馴染みの寿司屋に寄り道して、自宅へと帰宅した。
*
「一輝~、先にお風呂入っていいよ~」
湯張りしながら浴室に干されている洗濯物を取り込み、一輝に声を掛けていると。
「きゃっ……もうっ、ビックリするじゃない」
突然背後から一輝にハグされた夏桜。
仄かに煙草の香りが鼻腔を掠めた。
「一緒に入る?」
「は?……冗談は止めてっ」
「冗談じゃなくて」
「え……、本気で言ってんの?」
「ん」
「無理、……無理に決まってるじゃない」
「何で?」
「人に見せれるような体してないしっ」
「もう全部見て知ってるし」
「っ……」
「それに、十分だと思うけど?何が不満なの?胸?……尻?……腹?」
「もういちいち口にしなくていいからっ」
一輝の腕を振り解こうと体を少し捻った、次の瞬間。
「やぁっ……ちょっと、……何すんの?!」
背後から抱き締めた状態で軽々とそのまま抱き上げた千葉。
浴室から洗面所へと移動し、そのまま洗面所の化粧台の上に夏桜を座らせた。
「っ……、そんな目で見ないでよっ……」
「そんな目って、どんな目?」
色気のある煽情的な視線を向けて来る一輝。
夏桜の体を閉じ込めるみたいに両サイドに手をつき、じっと見つめる。
「一緒に風呂に入るか、朝まで寝れないか、どっちがいい」