Special Edition ②
「えっ、何それ……二択なの?」
「ん」
「どっちも選べない、ってか、その選択肢私に不利じゃないっ」
「そうか?お互いにメリットだらけだと思うけど」
「っ……、どこがよ……」
この手の展開に疎い夏桜。
つい半年前にデビューしたばかりの体は、まだまだそういう展開に慣れてなくて。
一輝にリードされるがままの状態。
そんな初々しくて愛らしい夏桜を揶揄って満足する一輝。
完全に主導権を握っている。
「残念、選ばないでいるから、オート機能で両方選択したことになったぞ」
「はっ?!ちょっ……と……んっ…」
スッと伸びて来た長い腕。
夏桜の後頭部を支えるように添えられ、お互いの唇が重なった。
啄むように合わせられる唇の隙間から舌が滑り込み、舌先が絡め取られる。
もう片方の手はシャツワンピースのボタンを器用に外してゆく。
露わになる胸元。
半年ほど前に手術した痕はもう殆ど残っていない。
「えっ、職場にこんなエロい下着着て行ってんの?」
「ふぇっ?……エロいっ?」
「ん~、十分エロい」
真っ黒のレース地にコバルトブルー色の蝶の柄があしらわれたブラジャー。
普段の清楚な下着とは確実に雰囲気が違う。
「先輩に貰ったんだけど、……似合わない?」
急に恥ずかしくなってシャツの襟を手繰り寄せ、視界を遮ろうとした。
そんな夏桜の手を掴んで阻む。
「似合うよ。……ちょっと色気があり過ぎてたじろいだけど」
「っ……」
「こういうのは、風呂上がりに着けろよ。そしたら、めちゃくちゃ可愛がってやるから」
「っっ~~っ」