Special Edition ②
「ごめん、……痛かったよな」
「……最初は」
全力尽くしたつもりなんだけど、やっぱり痛みなしは無理だったか。
まぁでも、途中からは声聞けたし、まずまずじゃねぇの?
「響さん」
「ん?」
「ぎゅーして下さい」
「おねだり上手になったな」
「っ……」
ピロートークだなんて不要な関係しか築いて来なかった俺にとって、こんな風に情事の後も腕の中にいること自体が新鮮で。
ぎゅっと抱き締め、髪を撫でて、優しくキスを落とす。
それにしても、避妊をするのとしないのとでは、歴然の違いがあると改めて実感。
衝撃すぎるほど、あの差は癖になる。
「芽依の初めて貰ったけどさ、俺も今日、初めてだった」
「え?」
「アレ、……使わないの」
「っっっっっ」
人差し指でサイドテールの上を指差す。
一応、芽依が嫌がるかもしれないと思って、サイドテーブルの上に用意しておいたけど。
最後まで“大丈夫”だと言ってくれた。
「正真正銘の『初夜』ってことだな」
「っっっ~~、……はぃ」
照れて俺の胸に顔を埋める芽依が可愛すぎて。
あー初めてじゃなかったら、二回戦突入するとこなんだけど。
さすがに、最初からは無理か。
「っ……んっ」
「あ、ごめん」
無意識に抱き締める手が、お尻に到達してた。
だって、すっげぇ肌の触り心地がいいんだもん。
こんなにしっくりする女、抱いたことがない。
好きだから、愛してるから、違うのか?
それとも、相性の問題?
「あの、……きょぅ…さんっ」
「ん?」
「続き、……しますか?」
「へ?……っっっ」
いやいや、芽依さん。
あなた、今夜デビューしたばかりだから。