Special Edition ②
「凄ぉぉ~~いっ!」
「中華が食べたいって言ったから、うちの行きつけの店にしたんだけど」
「最近、本格的な中華を食べてなかったから、物凄く嬉しいっ」
「食べ放題にしてあるから、このメニューの中のを好きなだけ注文していいから」
「え゛っ」
「中華って好き嫌いが分かれるだろ。うちの母親は山椒とか花椒とか好きだけど、父親は辛いのとか痺れる系は苦手だから、コースメニューにすると偏りが出るからって、いつもこの小皿のやつを好きなだけオーダーしてる」
「分かる!うちの父親は酸味が苦手で、酢の物が食卓に上がる時は喧嘩中だってすぐ分かる」
「ハハッ、それ分かりやすいな」
「でしょ?」
一口料理が載っているメニュー表を2人で端からオーダーする。
一口といっても2個ずつ盛られてたりするから、シェアしながら好きな味を彼女に見つけて貰いたくて。
結局、飲茶系のものが好みだと判明し、追加でそれらをオーダーした。
「もう無理っ、これ以上入らないっっっ」
90分間の時間制限ではあるけれど、60分も経たずしてギブアップしたまどか。
元々そんなに食がある方でもないし、満足して貰えたのならそれでいい。
「珈琲?紅茶?それとも、中国茶とかジュースにする?何が飲みたい?」
「あーん~じゃあ、せっかくだから中国茶がいいかな」
スタッフに飲み物を注文する。
時間的にも余裕があるから、少し休んでからにしよう。
「あっ、そう言えば……」
「どした?」
「さっき貰ったの、何だったんだろう?って思って」
「あー」
俺の両親から贈られたプレゼントを開けるまどか。
凄く嬉しそうに包装紙を開けている。