Special Edition ②

17歳の誕生日の今日。
彼から腕時計をプレゼントされた。
デザインが凄く可愛くて、洗練されている。

君と同じ時を刻みたい。
腕時計を贈る意味を知っている。
彼の誕生日プレゼントを選ぶ際に、私も贈ろうか悩んだから。

少し前に両親から“しっかり対策だけはしなさいよ?”と言われている。
まだそういう雰囲気にはなったことがないけれど、例えそうなったとしても、廉は無責任な人ではないと思う。

案の定、ちゃんと話したら“大事にしたい”的な返事が返って来た。
ちょっぴり残念に思う気持ちと、ホッと安堵する気持ちと複雑に絡まって。

胸元に刻まれた恋人の証は、思ってた以上に嬉しくて。
何度も視線を落として見入ってしまう。
すると、

「ゆっくりでいいって言っておきながら、この状況。……相当拷問だな」
「ふぇっ?……あ」

ブラウスの襟を大きく広げ、ブラジャーが完全に見えていた。

「さ……わる?」
「っ……煽んな」
「別に……いいよ?」
「だからっ、煽んなって」

廉になら、触られたって見られたっていいのに。

「もう紫の、着けたりしてないから……」
「え?……あ、あれは……別に嫌いとはそういう意味で言ったんじゃないんだけど」
「……そうなの?」
「ん。……透けてるのがエロいから、男子のかっこうの餌食になってるぞって意味合いで」
「じゃあ、何色でもいいの?」
「ん、……ってか、想像するだけでもヤバいから、もう口にすんなっ」

廉は顔を赤らめて視線を逸らした。
こういう照れた顔を見れるのは、彼女の特権かな?と思ってしまう。

「廉っ」
「ばっっ……」

彼に抱きついたら、更に照れて固まった。

「もう知らねーぞっ、煽ったのはまどかだからな」

言葉は少し乱暴だけど、彼は優しいって知ってる。
だって重なる唇は、甘く蕩けるように優しいから。

~FIN~

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