Special Edition ②
*
「よーし、出来たぁ!」
数か月前からコツコツと試作に試作を重ねて、漸く思い描く形になった。
これは業務ではなく、個人的な趣味の域。
旦那様であるいっくんが毎日夜遅くに帰宅するから、時間を持て余してしまって。
料理教室にでも通って美味しいお料理一つでも作れるようになったらいいんだけど。
元々あまり人付き合いも上手な方ではないし、料理に興味も愛情もあまりない。
愛する人に『美味しい』と言って貰えるのは嬉しいけれど。
プロの腕前の彼の前では、私の努力なんてミジンコ並み。
だから、私は私にできることをして、彼に愛情を注ごうと思って。
「もう一回デバッグ(バグや欠陥を見つけ、修正していく作業)しとこうかな」
不意に腕時計で時間を確認すると、十九時を回ろうとしている。
今日は土曜日。
本社自体は休日になっているけれど、新規事業の責任者をしている彼には、休日は無いのと同じ。
それじゃなくても、通販部や小売販売部(店舗運営部)からのトラブル報告がよく来る。
その度に会社に呼ばれたり、テレビ通話で指示を出す彼を見ていて、本当にこの人はいつ休んでいるのだろう?と思うほどだ。
修正をかけた部分のデバッグ処理を終え、入浴するために浴室へと。
お気に入りの入浴剤を入れた浴槽に浸かり、一日の凝りを解す。
今日は一日中パソコンに向かっていたため、首回りが重い。
職業病と言えばそれまでだが、好きでしているのだから弱音は吐けない。
少し長めに湯に浸かり、バスタオルを巻いた状態で水を取りにキッチンへと。
「おっ、悩ましい恰好だな」
「えっ……ぁっ、やだ…ッ!」
「よーし、出来たぁ!」
数か月前からコツコツと試作に試作を重ねて、漸く思い描く形になった。
これは業務ではなく、個人的な趣味の域。
旦那様であるいっくんが毎日夜遅くに帰宅するから、時間を持て余してしまって。
料理教室にでも通って美味しいお料理一つでも作れるようになったらいいんだけど。
元々あまり人付き合いも上手な方ではないし、料理に興味も愛情もあまりない。
愛する人に『美味しい』と言って貰えるのは嬉しいけれど。
プロの腕前の彼の前では、私の努力なんてミジンコ並み。
だから、私は私にできることをして、彼に愛情を注ごうと思って。
「もう一回デバッグ(バグや欠陥を見つけ、修正していく作業)しとこうかな」
不意に腕時計で時間を確認すると、十九時を回ろうとしている。
今日は土曜日。
本社自体は休日になっているけれど、新規事業の責任者をしている彼には、休日は無いのと同じ。
それじゃなくても、通販部や小売販売部(店舗運営部)からのトラブル報告がよく来る。
その度に会社に呼ばれたり、テレビ通話で指示を出す彼を見ていて、本当にこの人はいつ休んでいるのだろう?と思うほどだ。
修正をかけた部分のデバッグ処理を終え、入浴するために浴室へと。
お気に入りの入浴剤を入れた浴槽に浸かり、一日の凝りを解す。
今日は一日中パソコンに向かっていたため、首回りが重い。
職業病と言えばそれまでだが、好きでしているのだから弱音は吐けない。
少し長めに湯に浸かり、バスタオルを巻いた状態で水を取りにキッチンへと。
「おっ、悩ましい恰好だな」
「えっ……ぁっ、やだ…ッ!」