Special Edition ②
*
ここ二カ月ほどほぼ休みなく働いていて、今朝の『いっくん、今日も帰り遅いの?』という栞那の一言に危険信号を察知した俺は、いつもより早めに仕事を切り上げた。
料理が苦手な彼女のため料理専門の家事代行サービスを利用していて、予め献立表を貰い、苦手なものがないかチェックする念の入れ様。
栞那は好き嫌いはないというが、体調の変化で味の向き不向きがあるように、結構露骨に箸の進みが悪いものがあることが判明。
一緒に住むことで分かる些細なことに、俺は幸せを感じている。
「ただいま~」
二十時を少し回った時間帯なら、リビングかダイニングにいるはずの栞那の姿がない。
けれど、灯りはついているから、まだ起きているのだということは分かった。
「栞那~?」
寝室のドアが開いていて、中にいるのかと思い声をかけるが、彼女の姿は無かった。
鞄を書斎に置き、リビングへと戻った、その時。
裸にバスタオル一枚というセクシーな姿の彼女が視界に現れた。
「おっ、悩ましい恰好だな」
「えっ……ぁっ、やだ…ッ!」
肌を桃色に染め、色気と甘酸っぱいフルーティーな香りを纏って。
「どこ行くんだよっ」
「服着て来る!帰ってるとは思ってなかったから…」
「え、いいじゃん、そのままで」
「やだよっ」
「何で」
「……恥ずかしいじゃない」
「隅々まで知ってんだから、今さらだろ」
「っ……そういう問題じゃないんだってばッ」
バスルームへと戻ろうとする彼女の腕を掴んだ。
けれど、栞那は俺の手から逃れようと必死。
「あーもう、分かった!俺も入る」
「は?私はもう入り終わったんだってばっ」
「いいだろ、もう一回入れば」
「なっ…」
ここ二カ月ほどほぼ休みなく働いていて、今朝の『いっくん、今日も帰り遅いの?』という栞那の一言に危険信号を察知した俺は、いつもより早めに仕事を切り上げた。
料理が苦手な彼女のため料理専門の家事代行サービスを利用していて、予め献立表を貰い、苦手なものがないかチェックする念の入れ様。
栞那は好き嫌いはないというが、体調の変化で味の向き不向きがあるように、結構露骨に箸の進みが悪いものがあることが判明。
一緒に住むことで分かる些細なことに、俺は幸せを感じている。
「ただいま~」
二十時を少し回った時間帯なら、リビングかダイニングにいるはずの栞那の姿がない。
けれど、灯りはついているから、まだ起きているのだということは分かった。
「栞那~?」
寝室のドアが開いていて、中にいるのかと思い声をかけるが、彼女の姿は無かった。
鞄を書斎に置き、リビングへと戻った、その時。
裸にバスタオル一枚というセクシーな姿の彼女が視界に現れた。
「おっ、悩ましい恰好だな」
「えっ……ぁっ、やだ…ッ!」
肌を桃色に染め、色気と甘酸っぱいフルーティーな香りを纏って。
「どこ行くんだよっ」
「服着て来る!帰ってるとは思ってなかったから…」
「え、いいじゃん、そのままで」
「やだよっ」
「何で」
「……恥ずかしいじゃない」
「隅々まで知ってんだから、今さらだろ」
「っ……そういう問題じゃないんだってばッ」
バスルームへと戻ろうとする彼女の腕を掴んだ。
けれど、栞那は俺の手から逃れようと必死。
「あーもう、分かった!俺も入る」
「は?私はもう入り終わったんだってばっ」
「いいだろ、もう一回入れば」
「なっ…」