Special Edition ②
「こればかりは天からの授かりものだからどうにも出来ませんが、可能性はゼロじゃないと思うので」
「彩葉も同じ考えなのか?」
「そうですね。一人っ子よりは弟妹がいた方が何かといい面あると思います」
「じゃあ、満場一致ってことで」
「んっ……」
私の首筋にあるほくろ部分にキスを落とした彼。
既にエンジン始動らしい。
今が8月上旬だから、早ければクリスマスプレゼントで。
来年の櫂の誕生日(7月)にはもう1人家族が増えていたらいいなぁ。
「何、考えごとしてんだよ」
「へ?」
「今は俺に抱かれることに集中しろ」
「っっっ~~っ」
器用にパジャマのボタンが外され、唇が首筋が胸元へと這い伝う。
露わになった胸元にキスの雨を降らせながら、自身のパジャマのボタンを外し始めた。
そんな彼を手伝うようにボタンを外してあげ、均整のとれた肉体が目の前に。
アラフォーになってもフェロモンは相変わらず駄々洩れらしい。
「この辺ならキスマークつけてもいいですよね?」
「へ?……あぁ」
以前に寝ぼけて首筋につけて大変だったことがあるから、滅多なことがない限りつけたりしないけど。
こんなにもフェロモン垂れ流しの旦那様を野放しにはできない。
今も、有名女優や有名投資家の女社長が狙っているという噂を耳にするから。
鎖骨の下の、大胸筋の辺りに濃い薔薇を散らした、次の瞬間。
パジャマのズボンが下ろされ、膝裏がぐいっと持ち上がった。
「じゃあ、俺はこの辺で」
「なっっっ……」
裏太腿にチクっとした痛みが何度も襲う。
そうだった。
彼はやられたら、何倍にもして返す男だった。
だけど、こんな風に独占欲を誇示したいと思って貰えることが何よりも夫婦円満の秘訣かも。
*
「郁さん、大好きっ」
「こういう時は『愛してる』と言え」
~FIN~