Special Edition ②
彼女との相性は抜群といっていいと思う。
初めてナナとキスして、彼女を抱いた日。
こんなにも肌が合う人がいるのか?と思うほどに驚いた。
一目惚れするほど見た目は好みのどストライクだったし。
体の相性も完璧なのに。
音信不通で7年。
だからこそ、忘れられなかったというのもある。
運命があるなら、ナナこそが運命の人だと思って。
角度を変え何度も何度も唇を合わせる。
そのタイミングも角度も深さも。
完璧すぎるほど息が合ってて。
彼女は自分の欠点だと思ってるみたいだけど。
彼女のチャームポイントでもある八重歯に舌先を這わせるのが堪らなく好き。
自分の欠点だと思ってるからこそ、逃げるように体をビクッとさせるのが可愛らしくて。
ついつい悪戯心に執拗に攻めてしまう。
*
「まだランチ、毎日誘ってんの?」
「ううん、今はもう違う子の指導してるよ?」
「え?」
……聞いてない。
違う子って?
「そいつも男?」
「ううん、女の子。管理部の子なんだけど、かなりの天然でね?自販機で珈琲買うつもりが炭酸水押してて、壊れてる~って言う感じの子」
よかった、女性で。
ナナの一言で一喜一憂する自分が少し情けない。
「もしかして、嫉妬してたの?」
「当たり前だろ。俺もナナとランチしたい」
「フフッ、ジル可愛いっ」
「可愛くない。可愛いのはナナだから」
「や~だぁ~、そんなこと言っても何も出ないよ~?」
アラサーだから自分はオバサンだと言うナナ。
だけど、どう見てもオバサンには見えない。
綺麗可愛い系というのだろうか?
日本人はアメリカ人に比べて童顔だと思うから。