Special Edition ②
ローマからカナダのモントリオールへと移動した私達。
九時間の直行便だけれど、ゆったりとしたプライベートジェット機の移動は、本当に楽しくて。
贅沢を味わってしまうと、今後普通の飛行機に乗れなくなりそうで怖い。
「えな、どうした?」
「ううん、何でもない」
残り二回の挙式。
始めは恐ろしいほどの恐怖を感じたこの旅行も、残り僅かとなると寂しくなる。
すっかり盲毒に侵されてしまった私は、彼ともっとずっと一緒にいたいと思ってしまった。
……仕事が多忙な中、計画してくれているというのに。
一日半観光して、明後日の夜に挙式らしい。
夜の挙式、初めてだ。
*
仕事で何度も来ているという彼が案内してくれて、有名どころの観光地を幾つか回った。
その途中で哲平さんと別れて、福田さんと赤堀さんを連れて幾つかのショップを廻った。
哲平さんへのプレゼントは勿論のこと、御影家のスタッフの方にもささやかなプレゼントを。
女性スタッフにはスカーフ、男性スタッフにはネクタイを。
それと、御影ご夫妻にも。
こんな素敵な旅行をバックアップしてくれたことへの感謝の気持ちを込めて。
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「えな様、凄く素敵です」
「ありがとうございます」
ハイネックのノースリーブのデザインで、レースと刺繍が繊細に施された作り。
アイボリーの優しい色目で、スカートはAラインのシンプルに出来ている。
上品で洗練された雰囲気を演出するドレスに思わず息を呑んでしまう。
「福田さん、一緒にお写真撮りませんか?」
「宜しいのですか?」
「はい、もちろん」
ずっと帯同してくれる彼女との想い出が欲しかった。
毎回綺麗にセットしてる彼女の手は、魔法そのものだから。