Special Edition ②
十三時半。
帰るにはまだ少し早い。
風が少し強くなって来て、長い髪の蘭は乱れる髪を何度も手で押さえてる。
「中でまったりしようか」
「……そうですね」
既にグリル回りは片付けてあって、デザートのカットフルーツと飲み物だけがテーブルの上に置かれている。
それを手にして、部屋の中に入る。
四人家族でも十分すぎるコテージは、リビングだけでも二十畳以上あって、大型テレビが壁に掛けられている。
基本宿泊施設になってるから、ダイニング&キッチンもあるし、もちろん浴室も完備されてる。
そして、主寝室とも言える大型ベッドがリビング奥にあって、上のロフト部分にもベッドが置かれている。
ちょっと、目のやり場に困るというか。
別に蘭をどうこうしようと、このコテージを頼んだわけじゃないんだけど。
まさか、こんな造りになってるとは思いもしなくて。
ベッドを背にして、素知らぬ顔でソファーに腰を下ろす。
「周さん、アイスクリーム食べます?」
「あ、さっき買ったやつ?」
「はい」
「食べるか」
「はいっ」
冷凍庫にしまっておいたアイスを取り出し、二人で肩を並べて食べ始める。
「蘭のイチゴだっけ?」
「あ、はい」
「一口ちょうだい」
「っ……、はい/////」
あ~んと口を開けて待ってると、冷たいイチゴのアイスが口の中に運ばれて来た。
「イチゴ、旨いな」
結構濃厚なイチゴ感が味わえる。
「チョコ、食べるか?」
「いいんですか?/////」
「ん」
ほれとスプーンで掬って彼女の口へと運ぶと、めっちゃ顔を赤くしてそれをパクリと。
可愛い。
めっちゃ可愛い。
ってか、ペロッと唇舐めるとか、反則。
それ、自殺行為だから。