Special Edition ②
「え、……どうした」
蘭はソファーの上に正座していた。
予測不能状態というか、こういう唐突の行動されると、正直激しく鼓動が早まるんですけど。
「…………すよねっ?」
「え?……ごめん、聞こえなかった」
蚊の鳴くような小さい声で呟かれた。
風が入るように入口のドアを開けっぱなしにしてるから、外の音に紛れて聞き取れなかった。
俯き加減の蘭の顔に近づくと。
「我慢、……いっぱいさせてますよねっ?」
あー、核心突いて来たよ。
どうしよう。
これ、正直に答えていいもの?
目線を落としてる彼女に分からないように髪を掻き乱す。
雰囲気で分かるだろうけど。
まぁ、正直に話して、様子を見るのが妥当かな。
「それなりに」
やんわりと伝わるフレーズをチョイスしたつもり。
「すみませんっ」
「蘭が謝ることじゃないから」
「でも……」
「一応、気を遣ってくれてありがとな」
蘭の頭をポンと一撫で。
すると、その手を両手で掴み、彼女の膝の上に運ばれた。
「えっと……その、何ていうか……」
「……ん、……あ、ちょっと待った」
「え?」
外が煩くて声が聞こえ辛い。
俺はドアや窓を閉めて、エアコンを入れた。
「はい、続きどうぞ」
「っ……」
どうぞと言われても困るか。
「これだけは言っとくな」
「……はい」
「健康的な二十歳?だからさ、まぁ想像してるように我慢は結構してる。けど、別に嫌だってわけじゃなくて。自制が利くうちは我慢出来ると思うけど。さすがに永遠ってのはナシな」
「っ……はいっ」
「ん。じゃあ、言いたい事あるなら言って?」
俺は蘭を真っすぐ見据えた。