Special Edition ②

俺の家に泊りに来たあの日以来。
少しずつ事前学習のような形で、彼女の恐怖心とハードルを下げてはいる。

大人の恋とは違うから、一夜限りの~なんて事にはしたくない。

ひまりとはこの先もずっといっしょにいたいから。
嫌われたくないし、もっと俺のことに夢中になって貰いたい。
願わくば、四六時中俺のことで脳内を埋め尽くして貰いたいほどだ。

エアコンは付けてても、ロスの12月は日本の春くらいの気温。
さすがに夜は少し冷えて、一桁になる。
だから、ベッドに彼女を横たわらせ、布団も掛けて――。

「怖くなったらタップしろよ」
「……うん」

彼女との暗黙の了解。
怖くなったりして止めて貰いたい時は肩をタップしてと。
怖くて声が出ないかもしれないし、でも合図して貰わないと分からないかもしれないし。

パジャマのボタンを全部外して、そっと彼女の首筋にキスをする。
灯りが消えたら親に勘違いされそうだから、照明は落とせない。

だから、布団を被ってカモフラージュはしてるけど。

見えなくても、感じる。
彼女の肌のぬくもりと柔らかな胸の感触。

首筋から肩、肩から鎖骨、鎖骨から胸へと這いつたう。
ひまりの鼓動が思ってる以上に早くて、相当頑張ってくれていることが何よりも嬉しくて。

本当はキスマーク付けまくりたいけど、明日も母親とお風呂に入るかもしれないし。
昨日無かったのに、何で今日は付いてるの?とか、変な詮索して欲しくなくて。

代わりに、ブラの留め金を外して、ほんの少しだけ冒険を―――。

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