Special Edition ②

彼女の腕を掴んで立たせて、ベッドへ誘導。
お姫様抱っこ出来ないこともないけど、『昔の女で培ったスキル』というやつを惜しげもなく使うのは抵抗感がある。

ベッドサイドに座らせ、その隣りに腰を下ろして。
いつものように優しく頭を撫でて、ちょっとリラックス。

彼女がというよりも、俺が。
尋常じゃないほどの速さで暴れ狂ってんだけど、今の俺の心臓。
未だかつてないほどの速さに、正直俺の方がピンチなんじゃないかと思って。

さらりとした髪に指を通し、その余韻を楽しむ。
やっぱり髪質がいい女の子はいいね。

恥ずかしそうに俯いていた蘭が顔を上げた。
頭を撫でて髪を梳く以外に何もしないからだと思うけど、ちょっと不安にさせたんだろうか?

仕方ねぇ。
覚悟決めるか。

手を出したら、歯止めが効かなくなりそうで。
ついつい距離を取ろうとしてしまう自分がいる。

一年四カ月の修行の賜物だと思うけど、いざ本番となっても、そう簡単には体が動かないらしい。

絡む視線の先の瞳に俺が映り、その瞳が僅かに揺れて。
お互いに緊張してんだなぁと、初々しさを感じながら……。

ゆっくりと髪にキスして、そのまま額にもキスを落として。
ぎゅっと閉じたその瞼にもキスを落として。

着ているデニムの上着を脱がすと、なんとキャミワンピだという事が判明。
いや、露出度、めっちゃ高いんだけど。
上着で隠されていた肩や首回りが一気に開放され、野獣魂に火がついちゃったじゃん。

腰と後ろ首を支えながら、ゆっくり丁寧にベッドへ横たわらせる。

視界に捉えた彼女の胸元は、横たわっても無くならないほど豊かなようで。
優しいオオカミではいられそうにない。

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