孤独を生きる君へ
昼休みの時間にトイレに寄った。
私はないものとして扱われただけよかったけれど、そこには串木野さんがいた。
前髪たちを丁寧に鏡でチェックして、まつげも何かわからない縦長の細い道具で上にあげられ、リップを塗ってはパッ、パッ、と音を鳴らす。
仕上げに三つ外されたボタンをもうひとつ外してトイレを後にしていった。
ボタンを四つもあけたまま出て行ったのだ。あれだけ串木野さんが手入れして出て行ったことだ。なにかあるのかもしれない。
気になって仕方ない衝動に駆られてトイレを飛び出す。
廊下に出たところでスピードを落とし、広く距離を開けてゆっくりとついていった。
けれど何も起きない。そのまま串木野さんは教室に入っていく。
なんだ、なにもないのか、と教室に足を踏み入れた時だった。
「智樹っ、付き合ってくださいっ」
教室のど真ん中で串木野さんと國松くんが向き合っている。珍しく串木野さんは大きく頭を下げて。
私はないものとして扱われただけよかったけれど、そこには串木野さんがいた。
前髪たちを丁寧に鏡でチェックして、まつげも何かわからない縦長の細い道具で上にあげられ、リップを塗ってはパッ、パッ、と音を鳴らす。
仕上げに三つ外されたボタンをもうひとつ外してトイレを後にしていった。
ボタンを四つもあけたまま出て行ったのだ。あれだけ串木野さんが手入れして出て行ったことだ。なにかあるのかもしれない。
気になって仕方ない衝動に駆られてトイレを飛び出す。
廊下に出たところでスピードを落とし、広く距離を開けてゆっくりとついていった。
けれど何も起きない。そのまま串木野さんは教室に入っていく。
なんだ、なにもないのか、と教室に足を踏み入れた時だった。
「智樹っ、付き合ってくださいっ」
教室のど真ん中で串木野さんと國松くんが向き合っている。珍しく串木野さんは大きく頭を下げて。