アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
山あり谷ありなのかも
「ナニ⁉ その格好!」
久しぶりに会った大都は、細身の濃紺ビジネススーツに黒髪姿で、出来る若手経営者みたいな出立ちだ。
「ナニって? 似合っているだろ、 惚れ直した?」
大都は自信満々に口角を上げる。
部屋に来るためにわざわざ変装をしてきて、まんまと私が驚いたことにご満悦の様子だ。
確かに似合っているし、格好いい。そして、なぜだかチョットくやしい。
「ネクタイをきっちりしめていたら、100点満点だったのに、惜しかったわね」
そう言って、私は大都のネクタイに手を伸ばし、直すフリをする。
仄かにスパイシーオレンジが香り、近い距離を意識してしまう。
「ネクタイは、外してくれた方が嬉しいかな」
「ふふっ、慣れないと窮屈よね」
上目遣いに悪戯っぽく笑うと、ネクタイに指をかけシュルリと緩める。すると、大都の腕が私の腰にまわり、引き寄せられた。
いっそうスパイシーオレンジが色濃く香り、すっぽりと広い胸に抱き留められた。触れた部分から体温が伝わってくる。
その温かさに、これから告白することの恐怖心がゆっくり溶けていくような気がした。
そして、彼の声がして、耳に息がかかる。
「由香里、会えない間もずっと抱きしめたいと思っていた」
この先、私が妊娠したと告白したあとも、同じように抱きしめてくれることを心の中で、強く願ってしまう。
「あの、わたし……」
久しぶりに会った大都は、細身の濃紺ビジネススーツに黒髪姿で、出来る若手経営者みたいな出立ちだ。
「ナニって? 似合っているだろ、 惚れ直した?」
大都は自信満々に口角を上げる。
部屋に来るためにわざわざ変装をしてきて、まんまと私が驚いたことにご満悦の様子だ。
確かに似合っているし、格好いい。そして、なぜだかチョットくやしい。
「ネクタイをきっちりしめていたら、100点満点だったのに、惜しかったわね」
そう言って、私は大都のネクタイに手を伸ばし、直すフリをする。
仄かにスパイシーオレンジが香り、近い距離を意識してしまう。
「ネクタイは、外してくれた方が嬉しいかな」
「ふふっ、慣れないと窮屈よね」
上目遣いに悪戯っぽく笑うと、ネクタイに指をかけシュルリと緩める。すると、大都の腕が私の腰にまわり、引き寄せられた。
いっそうスパイシーオレンジが色濃く香り、すっぽりと広い胸に抱き留められた。触れた部分から体温が伝わってくる。
その温かさに、これから告白することの恐怖心がゆっくり溶けていくような気がした。
そして、彼の声がして、耳に息がかかる。
「由香里、会えない間もずっと抱きしめたいと思っていた」
この先、私が妊娠したと告白したあとも、同じように抱きしめてくれることを心の中で、強く願ってしまう。
「あの、わたし……」