アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
腕を組み、しばし思いを巡らせる。
出来ることなら直ぐにでも出て行って欲しい。
でも、自宅にも帰れず、ホテルもダメだったと聞いてしまっては追い出すのをためらう。
事情も事情だし、ここならセキュリティもしっかりしているから、母さんも大都を寄こしたのだ。

「仕方ない。とりあえず、1週間は居ていいわ。その間に次に住む場所探して」

「1週間か……」

「それと、自分のことは自分でしてね」

「了解!」

 とキレイな顔で、にっこり微笑み、大都はシャツを脱ぎ出した。

 だから、なんで服を脱ぐ!
 見せたいのか!?
 見せたいんだな!
 見ちゃうぞ♡

 ワイン片手に年下イケメンを鑑賞するなんて、なかなかの贅沢ではなかろうか。
 バランスの良い筋肉が付いた体を嫌いな女子はいないだろう。
 出来れば、触らせてもらいたい。
 あのしなやかな筋肉に指を這わせ、感触を楽しみたい。

 ごくっ!
 想像しただけで、生唾が溜まる。

すると、下を向いていた大都の視線が徐々に上がり、キレイな虹彩が、私の瞳を捕らえる。
彼の口角がニヤリと上がり、含みのある笑みを浮かべた。

「下も脱ごうか? 見たいって瞳が言っている。なんなら触らせて上げようか?」

その言いかた! やっぱムカつく!
顔や体は良いけど、性格はかなり残念なタイプだ。
よ~し、その挑戦受けてやる!

「いいのね。じゃあ、遠慮なく触らせてもらうわ」
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