アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
「ほら、ゆっくり呼吸をして……ね」

 横になった大都を私は上から見下ろしている。
 私の言葉に従って、大都がハァと息を吐き出せば、引き締まった腹筋が動き、広い胸板が上下する。
 太ももと言われている大腿四頭筋に、ゆるゆるとオイルで濡れた手を滑らせた。すると、張りのある肌に光沢が生まれ、薄暗いライトの下で艶を帯びる。

 外側から内側に向けて円を描くように手を動かし、足の付け根まで到達した。するとあるポイントを探り当て、中指をその中心にゆっくりと動かし始める。

 私の下に居る大都は眉間にしわを寄せ、必死に耐えているような、苦悶の表情を浮かべた。
 
「大丈夫よ。すぐに気持ち良くなるから」

 そう言って、両手で包み込むようにして上から下へとスライドさせていく。
 
「ふっ、ぅ……ムリ……」

「もう少し……我慢できるでしょう?」

「ダメ……ムリ……」

「まだよ、がまんして……」

 張りのある肌、引き締まった足の筋肉がピクピクと反応しているのを見ていると、自然と口元がゆるくなってしまう。
 
 はぁ~、イケメンの小生意気な男が、私の下で耐えている姿を見ているのは、最高の娯楽だ。

 様子を窺うように大都は薄く目を開いた。
 さっきまで、私のことを揶揄うように見ていたその瞳には、今は薄っすらと涙を浮かべている。
 嗜虐心をそそられ、クッと強めに手を動かしてしまう。

「ヤメ……」

 と言って、大都は背中をのけぞらせ、喉元を無防備にさらす。

 どうしよう、楽しすぎる。


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