アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
 ”仕返し”だなんて、物騒な言葉とは裏腹に、私を抱き留める大都の手は、この上なく優しい。
 そして、艶を帯びた瞳で見つめられ、心臓がトクトクと早い鼓動を刻む。
 徐々に大都の顔が近づき、唇が重なった。

 合わせた唇の間から、ぬるりと舌が入り込む。厚みのある大都の舌が私の口腔内を探るように動き、漏れる息の熱さに思考が蕩けていく。
 
 クチュクチュとリップ音が耳に届いて、それに煽られ余計に大都をむさぼように唇を()んだ。

「ん、んん……」

 鼻に掛かった甘い声が漏れ、腰に熱が溜まり、はしたないほど大都が欲しくなっている。
 しっとりと汗をかき始めた広い背中にまわしていた指先をずらし、彼の輪郭をなぞるようにゆっくりと指を這わせた。
 そして、首筋を挑発的に舐めあげ、彼の耳元で囁く。

「大都……しよ」

 ねだるようにつぶやくと、綺麗なアーモンドアイが私を覗き込む。

「大丈夫?」

「うん、お医者さんからもOKしてもらえているから……お願い」

「ん、それなら、優しくする」

 大都はそっとキスをして、私のナイティの肩ひもに節のある手をかける。そして、ずれた唇が、頬へ、耳元へ、キスの雨を降らし始めた。
 手を伸ばした私は、大都のシルバーハイトーンの髪を梳き、胸元へ抱き寄せる。
 重なる肌から伝わる熱が、気持ち良い。

「大都……好き」
 
 
 
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