アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
 お互いの体温を味わいながら、肌を合わせると、スパイシーオレンジの香りがして、余計に大都を近くに感じた。
 
「由香里……愛してる」

 耳心地の良い声で私への愛を囁き、大都は胸元へ吸い付き所有痕を残す。
 シルバートーンの髪を手で梳き入れると上目遣いの大都と視線が絡んだ。

「ねえ、キスして……」

 蕩けた瞳でキスをねだり、それに応えるように大都の唇が重ねられた。
 深いキスで舌先を吸われ、絡め取られる。
 それだけで、胸の奥が甘く痺れるような感覚に囚われた。
 
 好きな人と抱き合うのが、こんなにも幸せだったなんて、いままで知らなかった。
 大都への想いが膨れ上がり、心が震える。
 
「もっと……たくさん、愛して……」

「ん、いいよ」

 大都は優しく微笑み、私をふわりと抱き上げた。
 
「でも、大切に抱きたいから、ベッドへ行こう」

 その言葉にうなづいて、大都の首へ腕をまわした。

 
 
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