アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
「……もしかして、布団の貸し出しサービスあるの忘れてた?」
愛理がチラリと私の様子を窺う。その視線にいたたまれず、わざとらしく顔を逸らしてしまった。
「そ、そんなことないわ。……シングルの布団だと足が出たりして、ゆっくり眠れないから、かわいそうじゃない」
焦って言い訳をしたが、 大学時代から付き合いがある愛理は、私の失敗などお見通しのようで、クスクスと笑いだした。
「シングルの布団だと、かわいそうだと思うぐらい大きな子なのね」
と、口元にあてた左手の薬指にキラリと指輪が光っているのを見つける。
「愛理ってば、ナニその指輪! あなた、ちょっとの間にどういうことなの⁉」
夫に浮気をされ、離婚をしたという過去を持つ愛理。
独身主義の私と共に年を取ったら、楽しく暮らすはずだったのに、なにがあって心境の変化に至ったのか。
「報告が遅くなってごめんね。私が夫にDVを振るわれていたときに助けて、ずっと力になってくれた人なの。……夫だった人の弟なんて世間的にはどう思われるか不安だったけどね」
「えっ⁉ 別れた夫の弟? 義理の弟だった人と結婚するの?」
別れた夫の弟だなんて、私のルールから外れる相手だ。義理の弟だった人と結婚なんてしたら、離婚した相手とのつながりが切れないままだ。なぜ、イバラの道を行くような大変な選択をするのか、私には理解できない。
「彼以上に私のことを大切にしてくれる人には、この先、出会えないと思ってプロポーズを受けたの」
愛理は、幸せいっぱいの様子で満面の笑みを浮かべる。
「はぁ~。ごちそうさま。愛理が幸せになるならいいけど、すごい勇気だわ」
愛理がチラリと私の様子を窺う。その視線にいたたまれず、わざとらしく顔を逸らしてしまった。
「そ、そんなことないわ。……シングルの布団だと足が出たりして、ゆっくり眠れないから、かわいそうじゃない」
焦って言い訳をしたが、 大学時代から付き合いがある愛理は、私の失敗などお見通しのようで、クスクスと笑いだした。
「シングルの布団だと、かわいそうだと思うぐらい大きな子なのね」
と、口元にあてた左手の薬指にキラリと指輪が光っているのを見つける。
「愛理ってば、ナニその指輪! あなた、ちょっとの間にどういうことなの⁉」
夫に浮気をされ、離婚をしたという過去を持つ愛理。
独身主義の私と共に年を取ったら、楽しく暮らすはずだったのに、なにがあって心境の変化に至ったのか。
「報告が遅くなってごめんね。私が夫にDVを振るわれていたときに助けて、ずっと力になってくれた人なの。……夫だった人の弟なんて世間的にはどう思われるか不安だったけどね」
「えっ⁉ 別れた夫の弟? 義理の弟だった人と結婚するの?」
別れた夫の弟だなんて、私のルールから外れる相手だ。義理の弟だった人と結婚なんてしたら、離婚した相手とのつながりが切れないままだ。なぜ、イバラの道を行くような大変な選択をするのか、私には理解できない。
「彼以上に私のことを大切にしてくれる人には、この先、出会えないと思ってプロポーズを受けたの」
愛理は、幸せいっぱいの様子で満面の笑みを浮かべる。
「はぁ~。ごちそうさま。愛理が幸せになるならいいけど、すごい勇気だわ」