アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
騙された……。
佐久良から送られて来たURL、そこに表示された、赤坂にある和風の創作居酒屋に約束の時間よりも少し遅れて到着した。
漆喰の塗壁に落ち着いた照明の店内は所々にあしらわれた格子から、白木の香りを感じる趣だ。
店員の案内で奥まで進み、引き戸を開けた瞬間、誘いに乗ったのを後悔した。
「由香里、待ってたのよ。さあ、座って、座って!」
佐久良が手招き、私はため息交じりに腰を下ろした。
目の前の席にはスーツ姿の男性が3人並んで座っている。そして、佐久良ともう一人の女性。
誰が、どう見ても合コンだ。
ここで、不貞腐れても仕方ない。大人なのだからと自分に言い聞かせる。
「仕事が終わらなくて……。ごめんなさい」
誘いがあった時点で、佐久良がバリバリに婚活していることを思い出せば、断ったのに、すっかり失念していたのだ。
少なくとも普段から合コンに参加しない愛理が来ない時点で気が付けばよかった。
「ふふっ、有名製薬会社のツツミにお勤めのメンツよ」
佐久良は私に耳打ちをし、満足気に微笑む。
「合コンだと知っていたら来なかったのに」
「今、彼氏いないの知っているんだから。感謝してよ」
佐久良は恋愛にアグレッシブなタイプで、あたって砕けろ的というか、イイと思ったら突き進む超肉食女子だ。
佐久良から送られて来たURL、そこに表示された、赤坂にある和風の創作居酒屋に約束の時間よりも少し遅れて到着した。
漆喰の塗壁に落ち着いた照明の店内は所々にあしらわれた格子から、白木の香りを感じる趣だ。
店員の案内で奥まで進み、引き戸を開けた瞬間、誘いに乗ったのを後悔した。
「由香里、待ってたのよ。さあ、座って、座って!」
佐久良が手招き、私はため息交じりに腰を下ろした。
目の前の席にはスーツ姿の男性が3人並んで座っている。そして、佐久良ともう一人の女性。
誰が、どう見ても合コンだ。
ここで、不貞腐れても仕方ない。大人なのだからと自分に言い聞かせる。
「仕事が終わらなくて……。ごめんなさい」
誘いがあった時点で、佐久良がバリバリに婚活していることを思い出せば、断ったのに、すっかり失念していたのだ。
少なくとも普段から合コンに参加しない愛理が来ない時点で気が付けばよかった。
「ふふっ、有名製薬会社のツツミにお勤めのメンツよ」
佐久良は私に耳打ちをし、満足気に微笑む。
「合コンだと知っていたら来なかったのに」
「今、彼氏いないの知っているんだから。感謝してよ」
佐久良は恋愛にアグレッシブなタイプで、あたって砕けろ的というか、イイと思ったら突き進む超肉食女子だ。