アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
「さっきの男のときだって、すぐそばに俺が居たのに助けを求めるどころか、自分でカタをつけた。そんなに俺のこと頼りにならない?」
「そんなことないわ。ただ……」
誰かに頼って手を伸ばしても、その手が振り払われたら……。考えるだけでも身がすくむ。
言葉にしてしまうと、自分の弱い部分をさらけ出すようで、ためらう気持ちが強くなり何も言えなくなってしまう。
でも、大都はそれを見逃してはくれない。
「ただ……何?」
「私は……」
言葉に詰まり、うつむく私を抱きしめている大都の腕に力が籠もる。
広い胸は温かく、ふわりと漂うスパイシーオレンジの香りに包まれた。
その強引な優しさが、幾重にも塗り固めていた心の殻を溶していくようで怖い。
「私は、大丈夫なの。いままでだって、人に頼らず上手くやって来たわ」
心の中をさらけ出せず、強がりが口をつく。
「もっと、肩の力を抜いて、ゆっくり息をしてみたら? 肩に力が入っていると、上手く動けないんだ。ダンスをしているときなんて特に感じる」
大都の話しの真意がわからず、黙って耳を傾けた。
「力を抜いて、ゆっくり呼吸を繰り返して動き出すと楽な気持ちになるし、自由になれるんだ」
「そんなことないわ。ただ……」
誰かに頼って手を伸ばしても、その手が振り払われたら……。考えるだけでも身がすくむ。
言葉にしてしまうと、自分の弱い部分をさらけ出すようで、ためらう気持ちが強くなり何も言えなくなってしまう。
でも、大都はそれを見逃してはくれない。
「ただ……何?」
「私は……」
言葉に詰まり、うつむく私を抱きしめている大都の腕に力が籠もる。
広い胸は温かく、ふわりと漂うスパイシーオレンジの香りに包まれた。
その強引な優しさが、幾重にも塗り固めていた心の殻を溶していくようで怖い。
「私は、大丈夫なの。いままでだって、人に頼らず上手くやって来たわ」
心の中をさらけ出せず、強がりが口をつく。
「もっと、肩の力を抜いて、ゆっくり息をしてみたら? 肩に力が入っていると、上手く動けないんだ。ダンスをしているときなんて特に感じる」
大都の話しの真意がわからず、黙って耳を傾けた。
「力を抜いて、ゆっくり呼吸を繰り返して動き出すと楽な気持ちになるし、自由になれるんだ」