アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
「美味しかった。ごちそうさま」
口の中で蕩けるお肉やプリプリの魚介類の付け合わせを堪能して、お腹いっぱいの状態。
オレンジのシャーベットも口あたり爽やかで、満足だ。
「ううん、いろいろ話せて楽しかったわ。愛理はプロポーズを受けたってことは結婚するんでしょう。お式はどうするの?」
「うーん、お式はねぇ。彼は初婚だけど、私が兄嫁だったわけだから親戚とか呼ぶのは問題が多くて……。離婚原因は夫の浮気だったんだけど、事情を知らない人からは、弟の略奪婚みたい見えるのよね。だから、入籍して、写真だけでもいいかなって思っているの」
楽しそうにしていた愛理だったが、やはり元義理の弟との結婚は、すんなりとは行かないようだ。
「親戚なんて冠婚葬祭のときにしか会わないんだから、気にすること無いものね。本人たちが幸せなら問題ないと思うわ」
「そうね、幸せよ。向こうの両親は自分の親より良くしてくれているし、彼は優しいし、問題ないと思う」
そう言って、ふわりと微笑む愛理は、輝いて見える。本当に幸せなんだなと実感した。
「愛理は、苦労したんだもの。その分も幸せにならなくちゃダメよ」
「由香里も年下の彼氏と幸せになってね」
「そうね。とりあえず、いまは幸せよ」