アイドルなんかじゃありません!わたしの元義弟なんです!!
「……先生」
視線の先に居たのは、元カレの柏原正人だ。
「あれから連絡が来ないから、もう会えないかと思っていた」
正人は、バツが悪そうに頬をかいた。
すっかり忘れていたというか、連絡をしようと思っていなくて、もらった名刺もそのままにしてしまい、申し訳ない気持ちになる。
「ごめんなさい。仕事が忙しくて……約束が出来そうもなかったから連絡出来なかったんです」
「イヤいいんだ。こうして会えたから良かった」
適当な言い訳に、ホッとした表情を見せられ、私はますます申し訳ない気持ちになってしまう。
「先生……いえ、柏原さん。いつまでも呼び方直せなくってダメですね。すいません」
「由香里の好きに呼んでくれていいよ。それより、もし時間があるなら、これから食事に付き合ってくれるかな?」
「……はい」
と返事をしてから、広告の中にいるHIROTOへ視線を戻した。
広告のHIROTOは、鋭い眼光で遠くを見つめていた。
重たい気持ちを胸に留めたまま、私は正人へ顔を向け、ニコッと作り笑顔を浮かべる。
「そのグループ好きなの?」
正人は戸惑いの表情で私に訊ねた。私は作り笑顔のまま答える。
「ええ、好きですよ。でも、そろそろやめようかと思っていたところです」
「好きなのにやめるの?」
「そういう時期なんです」
「そうなんだ。アイドルとか良くわからなくて……ごめん」
「ううん、私もアイドルなんてわかりませんよ。でも特別だと思っていたんです。いい年して痛いですよね」
視線の先に居たのは、元カレの柏原正人だ。
「あれから連絡が来ないから、もう会えないかと思っていた」
正人は、バツが悪そうに頬をかいた。
すっかり忘れていたというか、連絡をしようと思っていなくて、もらった名刺もそのままにしてしまい、申し訳ない気持ちになる。
「ごめんなさい。仕事が忙しくて……約束が出来そうもなかったから連絡出来なかったんです」
「イヤいいんだ。こうして会えたから良かった」
適当な言い訳に、ホッとした表情を見せられ、私はますます申し訳ない気持ちになってしまう。
「先生……いえ、柏原さん。いつまでも呼び方直せなくってダメですね。すいません」
「由香里の好きに呼んでくれていいよ。それより、もし時間があるなら、これから食事に付き合ってくれるかな?」
「……はい」
と返事をしてから、広告の中にいるHIROTOへ視線を戻した。
広告のHIROTOは、鋭い眼光で遠くを見つめていた。
重たい気持ちを胸に留めたまま、私は正人へ顔を向け、ニコッと作り笑顔を浮かべる。
「そのグループ好きなの?」
正人は戸惑いの表情で私に訊ねた。私は作り笑顔のまま答える。
「ええ、好きですよ。でも、そろそろやめようかと思っていたところです」
「好きなのにやめるの?」
「そういう時期なんです」
「そうなんだ。アイドルとか良くわからなくて……ごめん」
「ううん、私もアイドルなんてわかりませんよ。でも特別だと思っていたんです。いい年して痛いですよね」