飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「なぁ古木(ふるき)ぃ」

 頭の中で私の勝手な嫉妬が炸裂したとき。

 斜め前に座る古木くんの元へ、二人の男の子がニヤニヤしながら声をかけた。

 古木くんは真面目すぎてクラスでもちょっと浮いてる存在。

 浮いてる者同士、私は古木くんに親近感が湧いている。

 一方で古木くんは私と目が合うとなぜか怯えちゃうので、極力目を合わさないように気をつけてる。


「お前さっきからキョロキョロしすぎじゃね?」

 そう言って笑っているのは湯川(ゆかわ)くんと、湯川くんといつもつるんでる清水くん。

 よく授業をさぼったり先生に突っかかったり、なにかと悪目立ちする二人組だ。

「誰もお前のことなんか見てねーよ!」

「キョ、キョロキョロなんてしてないよ……!」

「キョッ、キョロキョロなんてちてないよぉ……つって!ぎゃはは!」
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