飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
 中志津くんの言うとおり、私はいつもここにいる。

 みんなが入ってこないのをいいことに、内緒でこの居心地最高な場所を占拠していた。

 でも中志津くんにバレてしまった以上、今まで通りとはいかないんだろうな。

 あぁ、このサンクチュアリとも今日でお別れかぁ。 ぐすん。

 
「なんか勘違いしてない?」


 見るからに落胆していた私に、中志津くんが言った。


「……?」

「別に誰かに言うつもりないよ」

「! 秘密にしてくれるの⁉」

「うん。 月寄的に大事な場所なんでしょ」

 私は疑心暗鬼になりながらこくりと頷く。

「じゃあ言わない」


 中志津くんはそう言ってズズ……とコーヒー牛乳を飲み始めた。

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