飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「……ただ、昔はもうちょっと熱いやつだったかも」
中志津くんが遠くの街並みを見つめてそう言った。
「熱い?」
「今の心って、考え方がちょっとクールというか……いつもどこか冷静なとこあるんだけど」
うん。 わかる。
基本的に何事にもあんまり執着なさそうというか……必死になるということが少なそう。
だからこそ、昨日の玄関先でのハグは本当に驚いた。
昨日の心は明らかに冷静じゃなかったから。
「……中学のとき、同じクラスにケンジってやつがいたんだけど」
中志津くんはそれまでより少し静かなトーンで話し始めた。
「ケンジはとにかく優しいイイやつで、心とも仲が良かった。 でもちょっと気弱なところがあって、それをクラスのいきってるやつらに目をつけられたんだと思う。 あるとき、学校の帰り道でいじめられてるケンジを心が見つけて助けたんだ。 それでもなかなかなくならなかったいじめをなくすために、いじめっ子たちとなんとか仲良くなって一生懸命説得したり、先生にもクラスメイトにもいじめがなくなるように協力してくれって味方につけたり……ただただケンジのために、必死だった。 しばらくしていじめっ子たちも心の熱い説得で納得して、それでいじめはなくなった。 ……表面的には」
中志津くんが遠くの街並みを見つめてそう言った。
「熱い?」
「今の心って、考え方がちょっとクールというか……いつもどこか冷静なとこあるんだけど」
うん。 わかる。
基本的に何事にもあんまり執着なさそうというか……必死になるということが少なそう。
だからこそ、昨日の玄関先でのハグは本当に驚いた。
昨日の心は明らかに冷静じゃなかったから。
「……中学のとき、同じクラスにケンジってやつがいたんだけど」
中志津くんはそれまでより少し静かなトーンで話し始めた。
「ケンジはとにかく優しいイイやつで、心とも仲が良かった。 でもちょっと気弱なところがあって、それをクラスのいきってるやつらに目をつけられたんだと思う。 あるとき、学校の帰り道でいじめられてるケンジを心が見つけて助けたんだ。 それでもなかなかなくならなかったいじめをなくすために、いじめっ子たちとなんとか仲良くなって一生懸命説得したり、先生にもクラスメイトにもいじめがなくなるように協力してくれって味方につけたり……ただただケンジのために、必死だった。 しばらくしていじめっ子たちも心の熱い説得で納得して、それでいじめはなくなった。 ……表面的には」