飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「仲良すぎ」


 不機嫌な声で言った(しん)は、私を後ろから片手で抱き寄せてキョンから少し距離を取らせる。

 
「女子といつも喋んねークールキャラのくせに。 なんで凛とはそんな喋ってんだよナカシヅヒビキ。 キャラ守れ」


 そ、そんな理不尽な……。


「……言っていいの?」


 無表情のキョンが手を止めて、(しん)を見た。


「なんで俺が月寄に近づいたか」


 思わず「え?」と声を漏らしたのは、私。


 キョンが私に近づいたのって、(しん)の代わりにボッチな子を助けようとしてくれたからじゃなかったっけ……?


 キョンのまっすぐな視線を受ける(しん)は、何かに気付いて顔を強張らせた。
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