飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「照れてる照れてる~!」

「照れてるとかじゃないよ! 本当に私とキョンは何にも……!」

 
 教室のボルテージがどんどん上がって、なんだかよくないほうに勘違いされていってる。

 
「りーんっ♪」

「!紗英……!」


 ちょうど今来たらしい紗英が、ニコニコ笑顔を携えて後ろから抱きついてきた。
 

「聞いたよ!キョンと付き合ってるんでしょ⁉」

 
 紗英が心底嬉しそうな顔で私の手を握る。

 
「お似合いだよ~! 大好きな二人がカップルになるなんて嬉しい! おめでと~♡!」

 
 どんどん勘違いが加速する周囲に比例して、私もどんどんパニックになっていく。
 
 
「ち、違う!違うよ!」

「でも実は、キョンのこといいと思ってるでしょ?フフッ」

「キョンのことはもちろん、人として好きだけど、そういうのじゃないよ!だって私、」

 
 だって、私は、


「他に好きな人いるもん!」


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