飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「大切だからに決まってんじゃん」


「……え?」
 

「凛が大切だから」


「……!」


 心の優しい声が、胸を苦しくさせる。


「凛の大切なものは、俺にとっても大切なの」


 また、可愛い笑顔でそういう彼氏みたいなこと、言う。


「……」


 (しん)の穏やかな視線に、なぜか涙腺が緩む。


「凛?」

「……」


 (しん)のこと、まだまだ分からないことだらけだ。

 それでもいま目の前にいる(しん)に嘘はないって、この手を信じたいって、そう思う。


「…………(しん)


 私は手をひらいて、ネックレスの太陽をパチッと外した。


「これ……いる?」

「……!」


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