飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

彼氏とか彼女とか

 その日、私は学校中に大きく鳴り響く授業終わりのチャイムの音が、聞こえなかった。


「凛、お昼食べよー」

「……」

「凛ー?」

「……」

「おーい」

「……」

 
 ベシッ!

「あた!」
 

 ボーッとする私の頭をセイラが勢いよく叩いて、私は頭を押さえて反射的に顔をあげた。

 
「え⁉ セイラ⁉ なんで頭叩いたの⁉」

「なんかムカつく顔してたから」

「えぇ⁉」

 なんて理不尽な!

「なに?考え事?」

「っえ⁉ は、いや、うーんと、別に何も考えてないっていうか、考えてるっていうか……」

「ちょっと何言ってるかわかんないな。保健室行く?」

「行きません……」

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