飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
第4章 始まる。

本当のこと

「…………は?」


 昼下がりの学校の屋上。

 私の気持ちと裏腹に、思い切り晴れた青空の下。

 ひとりになりたかった私を無理やり捕まえたキョンが、ひと通り私の話を聞き終えてから、いつもの定位置に座って顔をしかめている。

 運ばれてくる熱風に、しばらくこの屋上に入るのはなしだな、と思う。

 私もキョンも、直射日光から唯一逃れられるいつもの日陰の中にいるけど、手に持ってる飲み物が汗をかいて、指がふやけるほど濡れてしまってる。


「は?え?出てったって……なんで?」

「だから……彼女いるのに、私と暮らしてるなんておかしいじゃん」


 言いながらまた悲しい気持ちがぶり返してきちゃって、私は膝に顔をうずめた。

 
 ――今日、紗英は学校に来なかった。

 もしかしたら今頃(しん)は、紗英といるのかもしれない。

 ……本当に信じられない。

 あんなかわいい彼女がいるのにずっと隠して、私の、ファーストキスまで……っ

 最低。
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