飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
✧˙⁎⋆



 憂鬱な月曜日は何度も味わってきたけど、今日の月曜日はその中でもひときわ憂鬱だ。

 自分のクラスが近づくにつれ、その憂鬱は私の体を重くしていく。

 ……ちゃんといつもみたいに笑って、紗英に挨拶できますように。

 私は小さく深呼吸してから、教室の扉を開けた。


「あ。凛。おはー」


 いつものように手を挙げてくれるセイラに、ひどく安心した。

 紗英は……まだ、来てないか。


「おはよう、セイラ」


 こないだの席替えでドアから一番近い席となった自分の席に、鞄を置いて座る。


「え、待って、なにそのクマ……⁉」

「あ……うーんと、これはー」


 どうしよう、目の下の青いクマの言い訳を考えてくるのを忘れてた。

 先週もそれなりにひどい顔だったと思うけど、寝不足を積み重ねた分、今日の方がやばい。
 
 例のごとく伝家の宝刀・ごまかし笑いを繰り出そうとした時、肩をトントンと叩かれて、振り返る。


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