飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「キョンは優しいね」

「全然。俺いまハラワタ煮え繰り返ってるし」

「え」

 驚いて見たキョンの表情は、いつも通りの無。

「えっと……なんで……?」

「なんでだろう。わかんないけど、なんか心の顔がムカつく」

「心の顔……」
 
 それは理不尽というやつなんじゃ……?

「……この土日で、分かったことがある」

「……?」

「紗英の、家族について」

 そう言ってキョンはスマホをスワイプして、私にその画面を見せた。

 それはニュース記事。

 今から10年ほど前、私たちがまだ幼稚園ぐらいの頃の記事だ。

 私はそのタイトルを読み上げる。

< 248 / 327 >

この作品をシェア

pagetop