飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

天真爛漫な女の子


 私は、いつもよりもだいぶ早く家を出て、いつもとは違う場所を目指して歩く。

 周囲は工場地帯で、まだ仕事を始めようという人も見当たらない。

 マルマル公園は遊具もベンチも、電灯すらない公園。

 公園と言うのも気が引けるほど、草はボーボーでなんの手入れもされてない空き地だ。

 そんな公園で、フラフラと歩いてお花を摘む女の子がいる。


「あ。おーはよー♪」


 私に気付いた紗英がニコニコで手を振った。


「……」

「そんな怖い顔しないでよーう。フフッ。はい、どーぞ♪」

 紗英は、手に持っていたタンポポを私に手渡した。

「あはは、凛は可愛いからタンポポ持ってるだけでも絵になるねー♪はい、記念♡」

 パシャッとスマホで写真を撮られた。

「やーん不意打ちで撮ったのに盛れてる!ムカつくぅ~」

 そう言って私からタンポポを奪い取ると、ポイッと捨てた。

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