飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。

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――既読にもならない
　

　中志津くんが誰かに向けて言った小さな声を最後に聞いて、私は教室を出た。

　夏宮くんがいない今日も授業はしっかり予定通り行われて、放課後になった。

　私はいつも通り部活にむかう生徒たちに紛れ、下駄箱で靴に履き替える。

　校門を出てもなんとなく気分が晴れない。

　帰り道、なんとはなしに夏宮くんの姿を探してみるけど、そもそもそんなに人がいない。


　夏宮くん、どこかで楽しく遊んでたらいいな。


　その時、鞄の中のスマホが振動する気配がした。

　見ると、彩人くんからメッセージ。

　【ごめん！今日も遅くなりそう。てかしばらく帰るの遅くなるかも……ほんとごめんね。】


「……」


　私は足を止めてスマホを操作し、【そっか！全然大丈夫だよ！研究頑張ってね】と返す。

　送信ボタンを押したら、モヤモヤとした不安感に襲われた。

　
　……なんか、家にいたくないな。