飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「……あのさ」


 心が言いにくそうに口を開いた。


「間違えた分を、やり直させてほしいんだけど」

「?」


 心はンンッと小さく咳払いした。


「俺が好きなのは……凛だから」

「……!」


 心は自分を落ち着かせるように軽く息を吐くと、改まって話し始めた。


「ありきたりですが……ひとめぼれでした」


 心の耳が、赤い。

 背中から、心のドキドキが伝わってくる。


「目で追ってるうちに意外にポンコツなとことか、なんにでも必死なとことか、可愛い、いや可愛すぎるなって思った、次第で」


 心の声はうわずって、もはや苦しそうなくらいで。


「もう引き返せないくらいには気持ちが盛り上がっちゃいまして」


 ……わ、なんかこれ


「つまり」


 なんかこれ、やばい


「……好きです」


 胸のドキドキが、史上最高値に達した。


「すっごい、好き。」


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