飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
 するとすぐに、クラスの男子たちが声をかける。

「心、久しぶりじゃん」

「おー久しぶりだわ。英語の授業、どこまで進んだ?」

「そんなことより聞いたか?キョンと月寄さん、別れたんだって!それも円満別れ!」

「……へー」


 心が顔をあげて、窓際の方にいる私と響に目を向けた。


「そうなんだ。おめでとー」


 そう言ってニコッと笑う。


「……」


 私はぎこちなく笑顔を返す。

 横にいる響から視線を感じる。


「おめでとーってお前さぁ……」

「おい心!見たぞ俺は!」


 ノリの悪い心に苦言を挺そうとしていた男の子を遮って、また別の男の子が割り込んだ。

 
「んー?」

「さっき!廊下で!逆ナンされてたろ!女子の先輩に!」

「え⁉逆ナン⁉」


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