飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
 ……

 横にいる響から視線を感じる。


「あはは」


 心がごまかすようにヘラヘラと笑ってる。

 
「逆ナンってファンタジーじゃなかったの……?」

「それも相手はあのテニス部部長の佐倉先輩だって!」

「え⁉あの美人で有名な⁉」

「くっそ、またかよ!なんで心ばっかり!」

「んー顔が良くてごめんねー」


 心は相変わらず、モテている。


「八木澤さんがいなくなった途端にかよ。現金だなー」


 誰かがふいに言った言葉で、

「……」

 空気が変わった。


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