飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
(しん)

「……!」

(しん)って呼んで」


 そう言って私の顔を覗きこんでくる、あざとイケメン。


「……夏宮くん」


 抵抗を意味して夏宮くんを呼ぶ私。


「心」
 

 それをしっかりと言い直す夏宮くん。


「っ、夏宮くん」


 夏宮くんのあざとい圧に負けじと抵抗する私。


「……」


 私がグッと顔に力を入れてその圧に耐えるのを、夏宮くんはしばらく眺めてから、私の顎を掴んで自分の方に向かせた。


「⁉︎」

(しん)って呼ばないとこのまま顔くっつける」

「うぇ⁉」


 顔を、くっつける……⁉

 このままくっつけたら、それ、キ、キキ、キ……⁉

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