飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
俺はそっと立ち上がって凛から離れ、廊下に続く扉へ向かう。
はぁ……まさかトイレ行くだけなのにこんな苦労するとは思わなかった。
ちなみに人間に戻ってから猫になるまでには一分〜三分ほど。
その時によってまちまちみたいだ。
猫になる前にはやく用を足さなければ、と思った、そのときだった。
「……やっ」
!
「やだ……っ」
凛の苦しそうな声がして、振り返る。
「や……行かな……」
……泣いてる。
凛が、泣いてる。
「……凛……?」
凛の閉じた目からツツ……と頬に涙が伝っていくのを見て、俺は息を止めた。
「行かないで……おばあ、ちゃん……」
……おばあちゃん……?
「ここに……いて……」
「……」
『ごめんね猫ちゃん』
『君がいたら、きっと寂しくないんだろうけど』
昨日、凛が言った言葉を思い出した。
「――……わかった」
凛にそう小さく返事をした俺は、ひとまずトイレに行って凛のお父さんの服を借りてから、凛の部屋に戻る。
はぁ……まさかトイレ行くだけなのにこんな苦労するとは思わなかった。
ちなみに人間に戻ってから猫になるまでには一分〜三分ほど。
その時によってまちまちみたいだ。
猫になる前にはやく用を足さなければ、と思った、そのときだった。
「……やっ」
!
「やだ……っ」
凛の苦しそうな声がして、振り返る。
「や……行かな……」
……泣いてる。
凛が、泣いてる。
「……凛……?」
凛の閉じた目からツツ……と頬に涙が伝っていくのを見て、俺は息を止めた。
「行かないで……おばあ、ちゃん……」
……おばあちゃん……?
「ここに……いて……」
「……」
『ごめんね猫ちゃん』
『君がいたら、きっと寂しくないんだろうけど』
昨日、凛が言った言葉を思い出した。
「――……わかった」
凛にそう小さく返事をした俺は、ひとまずトイレに行って凛のお父さんの服を借りてから、凛の部屋に戻る。